ゼロは続編ではなく追加シナリオと捕らえてみた

年末年始をシュタインズ・ゲート、およびシュタインズ・ゲート・ゼロに殆どの時間を費やし、全てのエンディングをクリアした結果、アマレビューや他とは多分少し違う感想がふと湧いてきたので、ちょっと書いてみようと思います。

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その1:シュタインズ・ゲートは初代で完結している

これはゼロのトゥルーENDを見てから少し経って思ったんだけど、

シュタインズゲートへの到達は初代のトゥルーENDで確定していたのではないか?

ということ。では具体的にどういう事かを書いてみよう。(勿論ゼロという作品は後付設定なのだがそんあリアリティのある話は考慮しない)

初代シュタインズ・ゲートで電話レンジ(仮)が発動した段階で、牧瀬紅莉栖が生き残り、まゆりが世界線の収束において必ず死んでしまうという未来が確定された。これはアトラクタフィールド理論によりa世界線とb世界線でそれぞれ決まった収束が行われるという事。

紅莉栖が生きている世界線では未来においてSERNによるディストピアの構築が確定しており、まゆりは死んでしまう。

そして岡部がタイムリープを重ねて元の世界線へ戻った世界では未来で第三次世界大戦が起こってしまう。

ここでの因果律はまゆりと紅莉栖が生存しているか居ないかということになる。

そして因果律を外れた狭間の世界線シュタインズゲートではまゆりも紅莉栖も生きており、未来が不確定な状態だということ。

ならばシュタインズ・ゲート・ゼロとはどの部分に位置する物語なのか?

俺の見解としては

初代シュタインズ・ゲートのトゥルーENDで鈴羽がタイムマシンでやってきた後に1回目の時間跳躍で紅莉栖の救出に失敗した岡部が、

2度目の救出を決意するまでを描いた物語

だということ。つまりシュタインズ・ゲート・ゼロは続編ではなく補完なのである。と勝手に納得した。

ゼロのトゥルーENDで撮影される【世界を騙せ】【自分を騙せ】などの台詞は初代の岡部が2度目の救出をするきっかけになったムービーDメールである。その結果、紅莉栖は死なずに岡部が刺された自分の血を持って紅莉栖の死を偽装し、まゆりも紅莉栖も生きているシュタインズゲートへと辿り着いた。。

時系列としては初代トゥルーENDの途中→ゼロのトゥルーEND→初代トゥルーENDの最後(シュタインズ・ゲートへの到達)

つまり、シュタインズ・ゲート・ゼロとはシュタインズゲートへ到達することが前提のまま出来た作品であるというのが個人的な見解。

その2:アマデウスの存在

シュタインズ・ゲート・ゼロで物語に大きく関与する存在。それが人工知能アマデウスであり紅莉栖の遺産(ノートパソコンとハードディスク)である。ゼロではこの記憶とデータを各国が争い、タイムマシン及び、紅莉栖の記憶をそれぞれが奪い合う結果、第三次世界大戦が始まってしまう。

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前述の考察を当てはめれば結果的にはシュタインズゲートへと到達するのは確定しているので、これらは茶番の様にも思えるが、初代で鈴羽がタイムマシンで帰ってきたときにいきなり第三次世界大戦を口にした理由を語るにはいいシナリオ構成だったと思える。

よく見かけるのが初代の蛇足でしかない、とか、初代は超えられないとかそういった声だけど、

じゃあ初代でシュタインズゲートに到達する前にいきなり鈴羽がやってきて第三次世界大戦になるだとか、未来の岡部から2010年の岡部にムービーメールが送られた意味や理由は全く説明されてないじゃないかっていう疑問はスルーなの?って事。

元々、記憶の圧縮とデータ化論文の設定は初代でもヴィクトリア・コンドル大で研究されていたものであり、アマデウスのプロジェクトも存在したと考えるのが妥当。

そういう意味ではアマデウスとはシュタインズゲートに到達する為にはあってはならないモノでもあり無ければならないモノとも言える。。ような気がする。

少し細かく言えば、アマデウスの存在と紅莉栖の遺産が存在しなければ、岡部がシュタインズゲートへ到達する為の条件は見付からなかったんじゃないか?という事。

第三次世界大戦の因果律とSERNのディストピアの因果律、この2つの因果律を外れて初めて狭間の世界線シュタインズゲートへの道が開かれたのだから。

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その3:椎名かがりの謎

もう1つゼロにおいてよく訳が分からんと言われるのが、未来でまゆりの養子となる椎名かがりの存在。

紅莉栖に似ていたり、由季さんが実は整形したかがりだったりとゼロの中で1番表情、境遇の変わるキャラクターかもしれない。

しかし、ここはもっと単純に考えていいような気がする。

世界線の変動

椎名かがりの境遇があそこまで変わるのはそこにしか理由がない。ゼロでも世界線は頻繁に変わるから。

ある世界線では整形せずに教授から脱走はするものの洗脳と紅莉栖の記憶を移植された紅莉栖似の姿で登場する。

そしてある世界線では由季の顔に整形した上で同じく洗脳状態にあるが紅莉栖の記憶などは移植されていない。

元々、未来で子供の時から紅莉栖に似ていた理由だけは誰にも分からないw シナリオの都合上そうなったのかもしれないw

ただ22歳になって記憶喪失のまま現れた紅莉栖似の姿を無理やり解釈するならば、記憶が人格や姿を形成すると読み飛ばしてしまいそうな場面で真帆が言った言葉で解釈するほかないだろう。

あとはストラトフォーの実験対象の中では適合率が非常に良いと判断されていた。それはもしかしたら元々紅莉栖に姿が似ていたからなのかもしれない。。

その4:実はアトラクタフィールド的にもシュタインズ・ゲート到達は確定してた?

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最後にこれは個人的な予測になるが、元々初代でDメールが偶然発動した段階で世界線はシュタインズゲートへ向けて収束していたのではないか?という事。

まあBAD ENDとかは完全にアウトの様に見えるけど、それでもダルがタイムマシンを作る因果律はあのBAD ENDがあったからこそのようにも解釈できてしまう。

遠回りはするけれど、最終的には初代トゥルーエンドで到達した狭間の世界線。

まゆりも紅莉栖も生きている世界線。

シュタインズゲートへの到達は収束論として約束されていたのではないかな。

まゆりの死やタイムリープ、紅莉栖の犠牲というのが全てシュタインズゲートへ到達するための因果律だと考えると、、、合点がいくような気もしないでもない。

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